手術を受ける前後の注意点
手術前 | 原則として手術は予約制となります。余裕をもって予約をお取りください。 予約はお電話で構いませんが、料金に関しては一度ご来院ください。 麻酔をかけられる状態か判断するために、可能な限り血液検査とレントゲン検査の術前検査を受けて頂いております(手術当日可)。 また、検査結果に応じて追加で超音波検査を行ないます。 こちらから「入院・手術・麻酔を含む処置における同意書」がダウンロード可能です。 |
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手術前日~当日 | 前日の食餌はいつも通りで構いませんが、手術当日の朝ごはんは与えずにいらしてください。お水はごく少量であれば構いません。 |
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手術後 | 当日退院の場合は、麻酔の影響で胃腸の運動が緩慢になることがあります。 ゆっくりと少量ずつごはんとお水をあげてください。 傷口の保護のためにエリザベスカラーやエリザベスウェアが必要になることがあります。 入院期間は手術様式や動物の状態により前後します。 手術前のインフォームの際に入院期間の目安や管理についてご説明させていただきます。 術後の経過に応じて入院計画の変更点があれば随時、ご説明いたします。 |
麻酔と痛みのケア
手術の全身麻酔において100%安全・安心というものは存在しません。
しかし、手術前の検査や麻酔計画を十分に検討することにより、麻酔に対するリスクは可能な限り下げることができます。
また、痛みは様々な原因で生じます。複数の経路をブロックすることで総合的な鎮痛を行ない、術後のQOL(Quality Of Life ; 生活の質)を下げないように管理していきます。
当院では麻酔と鎮痛において、バランス麻酔・マルチモーダル鎮痛・先取り鎮痛を積極的に取り入れていきます。
麻酔と痛みのケア
バランス麻酔
理想的な麻酔は①鎮静 ②意識の消失 ③筋弛緩 ④鎮痛をバランス良くすることであり、異なる作用の薬物を用いてこれを実現する麻酔法をバランス麻酔といいます。
マルチモーダル鎮痛
鎮痛薬においても麻酔と同じように異なる作用機序の薬物を組み合わせることで、単独で鎮痛薬を使用するよりも強い鎮痛効果を少ない投与量で得ることができます。
先取り鎮痛
痛みの防止および麻酔の安全性を高めるには鎮痛薬の投与時期が重要です。
痛みの刺激が加わる前に鎮痛薬を投与する「先取り鎮痛」が効果的です。
同意書とインフォーム
当院では、手術に先立ち十分な説明を行い、同意書の記入をお願いしております。
分からないことや心配な点がありましたら遠慮なくご質問・ご相談ください。
Q, どのような病気・怪我の状態? Q, どんな手術? Q, 費用はどれぐらい?
Q, どのようなリスクがある? Q, 術後はどうなるのか?
1.避妊・去勢手術
当院では避妊・去勢手術を推奨しています。避妊・去勢手術ともに全身麻酔が必要となります。
麻酔をかけられる状態か判断するために、可能な限り術前検査を受けて頂いております。
○避妊・去勢手術の長所
*性ホルモンが関係している多くの病気を予防できます
例)乳腺腫瘍や子宮や卵巣の疾病、前立腺肥大や肛門周辺の腫瘍
*メスの発情を防止できる(基本的に犬猫は閉経がありません)
*オスの性行動(マーキング、攻撃性)を抑えられる可能性がある。
*生殖能力をなくし、妊娠を防止できる。
●避妊・去勢手術の短所
●避妊・去勢手術の短所
*術後、太りやすい(食餌の種類・量でコントロールできます)
*稀に術後、尿を漏らすことがあります(避妊手術後)
*稀に縫合糸に対して副反応が起きることがあります
(可能な限り腹腔内に縫合糸を残さない手術を当院では実施いたします)
2.適応手術
皮膚・・・外傷, 体表腫瘤切除術, 耳道腫瘤切除術, 肛門嚢切除術など
消化器・・・胃切開術, 腸切開術, 脾臓摘出術, 胆嚢摘出術など
腎泌尿器・・・膀胱結石摘出術, 会陰尿道造瘻術, 膀胱腫瘍摘出術など
生殖器・・・乳腺腫瘍切除術, 精巣腫瘍摘出術, 子宮蓄膿症, 潜在精巣摘出術など
整形外科手術・・・膝蓋骨脱臼整復、前十字靭帯断裂整復、骨折整復など
眼科・・・角膜腫瘍/穿孔に対する眼瞼縫合, 瞬膜腺整復, 眼瞼腫瘤切除術など
ヘルニア・・・臍ヘルニア, 鼠径ヘルニア, 横隔膜ヘルニア, 会陰ヘルニアなどの整復術
*症例によっては専門医・2次診療機関を紹介致します